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12月
中井の絵が京都大学土木会会報誌『京土会会報(No.42 2004)』の表紙を飾りました。絵と文章を紹介します。

京土会会報表紙「アムステルダムの跳ね橋」
※クリックすると大きな画像がご覧いただけます。
「アムステルダムの跳ね橋」
<作者の言葉> : 平成15年 入会 中井 卓巳
 国際融合創造センターの大津先生から、表紙絵の依頼があった時に、結構気楽にお引き受けしてしまいました。私は、入会させて頂いたのは最近であったことから、京土会会報 の事を知らなかったので調べますと、大先輩諸氏の素晴らしい絵が表紙をカラーで飾っていました。最初は、ベトナムでの国際融合を目指す京都大学の先生方とベトナムのカウンターパートの飲み会(もちろんベトナムのすごく美味しい料理を食べながら!)の絵を載せるつもりでいたのですが、やはりこれは土木構造物にちなんだものの方がふさわしいと思 い直し、トンネルとか斜面とかの私の専門分野の絵を候補に挙げました。しかしながら、どうにも絵になりにくいので、思い悩んだ挙げ句この絵にしました。

 都市環境工学専攻の大西先生がいつものようにお忙しくて、私が国際トンネル会議に発表のためアムステルダムに赴きました。5日間ほどは、発表があるので市内でうろうろしたり、他の発表を聞いたり、ホテルで発表の準備をしたりしていました。最後の2日間は、(財)地域 地盤 環境 研究所の橋本所長のご厚意でデルフト大学の研究室にお邪魔して、遠心力装置を見学したり、研究内容のプレゼンテーションを受けました。オランダは、干拓地で堤防が最も重要な土木構造物で、かつ予算もそれなりに多く、最近のアセットマネージメントやリスクの取り組みなども堤防の安全性を中心に回っているようです。こういう主たるどっかりとした守るべきものが対象としてあると学問はいきいきしているなあと感じま した。日本における、土木界のなかの主たるどっかりした守るべき対象とはなんだろうかと考えた日々でもありました。日本は海に囲まれた国として活かすべきものは沿岸に着目するのが当然で、その結果として日本の誇るべき明石大橋や海上空港が後世への遺産として誕生しています。

 オランダの運河に架かる跳ね橋は、土木構造物としては歴史の古いものと思いますし、絵にもなります。こういう社会資本が人々の生活と共に観光の役にも立っています。土木を考えるには、一人の人間の寿命より長いスパンが必要のようです。ビールの味も、土木構造物の味わいも深いものがあるアムステルダムの風景を私の土木への思い入れの一端として選択させて頂きました。

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